一方、個人が自分で働く場所を選ぶ傾向は、今後一層強まると考えられる(
コラム3参照)ので、労働力の流動性は高くなる。雇用する側、雇用される側ともに流動性を頭において労働契約を交渉することになる。そうなると、年棒の決め方は、マーケットプライスによるものが中心となる。雇う方は、市場水準を越える給与は払いにくいし、雇われる方も、市場水準を越える給与をもらってしまうと、次の仕事が見つけにくくなってしまうからである。
仕事については細かく注文をつけるが、給与はやかましいことをいわず、市場並でOK,業績対応は給与ではなく、インセンティブでお願いしたい、というのが標準となろう。一人親方にとって大切なのは、給与ではなく、業績を反映したインセンティブと、腕を鍛えてくれる仕事、キャリアを高めるのに役立つ業務経験である。よって、処遇にかんする交渉の中心は、インセンティブとベネフィットになる。そこで、次回は、インセンティブの内容とフリンジ・ベネフィットの内容について考えてみよう。