チームビルディングの技術は、自分と他人をマネージすることが要求される、組織内一人親方度のレベル2あたりから少しずつ必要になる。しかし、ビジネスをマネージするとなると、その必要度合いは倍加する。理由は、リーダーが答えを持っているとは限らない課題に取り組まなければならないからである。解決には複数の専門家の知恵が必要で、解決案の実行にはいろいろな部署の協力が予想され、利害関係者を納得させる必要も発生すると思われるような課題である。
このような課題に取り組むとき、まず課題が正しいかを議論しなければならない。例えば、売れない商品を何とかしようとする場合、売れない理由が何なのかを究明しなければならない。売れない理由がデザインであれば、コスト低減努力は実を結ばない。従って、「売れないので値段を下げたい。コストを10%下げることを考えてくれ」という課題を与えられた場合、値段をさげれば本当に売れるのかを検討してみる必要が出てくる。販売する人の意見、使う人の意見、競争相手の動向など多くの専門家の考えを聴いてみる必要がある。ライフサイクルの終盤に近い製品であれば、次の製品の開発に注力する方が効率的である。製品のロードマップはどうなっているかもチェックしなければならない。検討の結果、自分で製造するのは中止し外部に発注するという結論になるのであれば、工場の作業量に影響が出てくるので、この対策も考えなければならない。