職能別のビジョンや地域本社のビジョンを作る際、どうしても考慮にいれなければいけないことは、地域は異なっても世界共通に守らなければいけないことと、地域ごとの裁量に任せることの区分である。地域本社は、国は異なっても地域共通に守らなければいけないことと、国ごとの裁量に任せることの区分をする必要がある。
これらの区分設定には、当然のことながら多くの議論をともなう。場合によっては、古くからある子会社の既得権益の整理も必要になる。それゆえ、議論の後に、統一ルールと決められた理由、および結論に至るまでの経過などを、同じ議論が繰り返されないよう整理しておかなければならない。
その上で、これらの資料をグローバル化教育プログラム レベル2の教材として有効活用すべきである。プログラムの参加者に、自分たちであればどのような区分としたであろうかを討議させ、現在のルールが決まるに至った経緯との比較を行うなどは、その使い方の一例である。共通に守らなければいけない部分と自由裁量に任される部分を明確に理解させることにより、組織間の軋轢を少なくするのがレベル2プログラムの二番目の目標である。