従来の優位性を活用して環境の変化に対応しようとする場合、優位性に関連する情報が大切である。円高という環境変化に対応し、低コストという優位性を活用するには生産性に関する情報、たとえばサプライチェーンについての情報や部品メカーに関する情報が素早く入手できなければならない。
また、特定の製品の製造上で生産性の改善に関する新しいノウハウが発見された場合、そのノウハウは別な製品の製造にも素早く応用されるようでなければならない。改善の横展開がしやすい分業、すなわち製造部門間の相互依存性を高めに維持できる組織構造A(architecture)が望ましい。この場合は、製品部門の下に製造部門があるのではなく製造部門の下に製品別の組織があるほうがベターということになる。
生産技術部門の横串機能を高くする業務プロセスというR(routine)、横展開は当然という文化C(culture)も必要であろう。組織のA,R,C,は優位性の活用というニーズに即して継続的に改善されなければならない。