探索型に適した人材マネジメントの特徴をどのような組織にするかという視点から考えてみよう。
A(architecture):組織構造は相互依存性が低く、どちらかというとそれぞれの組織が独立的に動くことが可能なように職務を割り当てる。例えば、設計部門でいえば開発部は次次代製品担当、設計部は次世代製品と現流品およびそのバージョンアップ担当といった区分とする。製造部門もこれに対応して、製造部には製品別の製作課とは別に試作課を設ける。場合によっては試作課を開発部所属としてもよい。この場合、次世代製品の試作や源流品の改良は製造部の仕事となる。
R(routine):探索型のルーティンが確立されている。例えば、新しい工夫やアイデアを評価するプロセスが定着していて、何を採用し何を採用しないか、どのような点に注意すると新しいアイデアの実行可能性が高まるか等を部門のトップが理解している。イノベーションをもたらした人に報いる仕掛け(特許に対する報償制度など)が出来ていて、制度の内容は常識となっているなどなど。
C(culture):リスクを取ることを奨励する風土があり、果敢なチャレンジをした人についての逸話がいろいろ残っている。ドラスティックな変化を怖がらないだけでなく、面白がる雰囲気がある。失敗は成功の母だと皆が思っている。