リーダーと普通の人との行動の違いは、構造と配慮(コラムvol.84「リーダーと普通の人は何処が違うのか」参照)だとしても、それだけでリーダーたりうるのか、というのは大きな疑問である。フォロワーに期待していることを明示し(構造づくり)、励ましても(配慮)フォロワーが動かないということは日常よく経験するところだ。では、どうしたらリーダーになれるのか。
E.P.ホランダーは、リーダーのなり方には過程があり、いきなりリーダーになるわけではなく、順序を追って次第にリーダーになると考えた。「初めは、集団の規範に従い、業績を上げ、十分に信頼を貯金する結果、その集団に新しい変化や革新を起こして欲しいという期待がフォロワーの間から生まれ」リーダーと目される、という過程である。
信頼蓄積理論とよばれ、1974年に発表された。「まず課題面で貢献できない限り信頼は蓄積されない」、つまり、上手くいったという経験が積み重なって初めてフォロワーがリーダーを信用し、従うようになるということ。(この項、「 」内金井リーダーシップ入門による)