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3Dラーニング・アソシエイツ

21世紀型人材マネジメント
 -組織内一人親方に好ましい生態系の創り方-

 

VOL.92  リーダーシップ開発(13) 状況への働きかけI キーワード依存症対策

チームビルディングを妨げるもの

  「リーダーは状況に応じて、対応の仕方を変えなければいけない」という指摘は正しい。また、「リーダーは一人で状況の全てに対応することは出来ない」のも事実である。では、グループ討議がうまく出来ないというような状況には、どう対応すべきか。

  このことがなぜ問題かというと、最近、課長クラスでも議論が十分にできないという傾向が強くなっているからである。自分の意見をはっきり主張せず、また意見の重要度の判定を回避し、結論を出すことをためらうためだ。だが、この傾向はチームビルディングという現代のビジネスに最も必要な作業にとても障害になる。チームビルディングの立ち上げ期の次のステージ「混乱期」が上手く起こらないからである。

  混乱期に十分意見の違いをぶつけあっていないと、合意したことの内容が曖昧で、あとあと、違う切り口や異なる手順について意見が出て、そのため手戻りが発生してしまい、活動の最盛期である平常化期になかなか移行できない。手戻りが発生するのは良い方で、通常多数の意見の並列したものが結論になり、議論が問題解決に役立つものにならない。
 

キーワード依存症では?

  議論がうまく出来ないもう一つの理由は、自分の意見を上手く表現できないことにある。キーワード依存症とでもいうべき欠点で、キーワードをあげればそれで説明した気になってしまう。実際はキーワードの理解は各人各様で、それでは抽象の階段が揃わず会話がかみ合わない。コミュニケーション力とか半断力という言葉は、リーダーシップという言葉と同様いろいろな意味があり、「コミュニケーション力を高めなければいけない」という答えを出しても、何をすべきかは、さっぱり分からないのだ。

  議論すべきは、なぜコミュニケーション力を高めなければいけないかだが、それが「情報の共有化」のために、などという別なキーワードで説明され理解した気になって、合意してしまうと、何が問題なのか、どう対策すべきかが見えてこない。議論が問題解決に繋がらない。グループ討議は練習だが実際の現場でも起こっていると推察される。これが、議論が出来ないことの本当の問題点なのだ。

  キーワード依存症になるのは普段、文章を読む場合、AだからB,というロジックを読まずに、キーワードだけをピックアップして読んだ気になっているからで、3DLAのセミナーでも本を読んでもらって感想文をだしてもらうという事前課題を出すが、最近は感想文の内容が乏しいケースが多い。そんなこと言ってないけどとか、So What 、だからどうなんだとか言いたくなってしまう。

 

キーワードで考える人が引っかかるクイズ

  3DLAのブレンド型e-learning では、途中にクイズが設けられていて、このクイズに正答しないと、次に進めない。クイズは難しいものではないが、キーワードだけピックアップするような理解の仕方をする人は、間違えやすいように作ってある。このクイズに失敗する人の多さは予想以上で、最近の課長クラスは「本が読めない」という評価はどうも本当のような気がしている。

  このe-learning では2回失敗すると追試になる。それでようやくキーワードが使われている状況について考えなければいけないことに気が付く人もいる。e-learning はクラスでの授業の予習になっていて、クラスで復習はするが、原則e-learning で学習したことを前提に授業を進めるので、十分予習してもらわないと議論に加われない。

それゆえ、追試まで創ったのだが、問題ごとの正答率が分かるにしたがって、出題順序を入れ替えたり、問題の字句を修正したりする予定だが、より勉強の仕方を教えるものに進化させられるのでは、と感じている。

 

チームビルディングのステージとリーダーの役割

  状況への働きかけの事例としてグループ討議の例を挙げ、チームビルディングのステージについて触れたが、次回はこのステージとリーダーの状況への働きかけ方についてもう少し検討してみよう。

 

 

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