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3Dラーニング・アソシエイツ

21世紀型人材マネジメント
 -組織内一人親方に好ましい生態系の創り方-

 

VOL.94  リーダーシップ開発(15) 状況への働きかけIII 空気で決めてはいけない

なぜリーダーシップが必要か、再論

  コラムVol.80(21C型HRMとリーダーシップ開発の関係)で、リーダーシップが必要な理由について検討した。

(1)21Cはビジネスモデルで闘う時代なので、HRMは、ビジネスモデルを実行するのに必要な人材をそろえることに役立たなければならない。必要な人材とは、「ベンチのサインをいちいち見ないでも仕事の出来る人」である。
(2)会社も転職するので、自分らしい人生を送るためには、会社に寄りかからずに、自分に対してリーダーシップを発揮して自分を成長させなければならない。
(3)リーダーが答えを持っていない問題の解決が必要で、そのためには指揮命令型でないリーダーシップが必要。以上の三つが理由であった。

しかし、もう一つ、日本にとってリーダーシップが必要な理由がある。それは、「空気に流されないために、必要」というものだ。

 

はずれた大統領選挙の予想

  次のアメリカの大統領がトランプ氏に決まった。事前の予想はクリントン氏で、多くのマスコミ、専門家が間違えた。その後、なぜ間違えたかについて検討が行われ、情報の入手先が偏っていて、現状に対する不満の強さを掴み切れなかったとの反省が、アメリカではしきりである。

しかし、日本の場合は、情報の入手先というよりは、マスコミに流れる空気で判断したのが原因であろう。もともと、こうなってほしいと思う方向に予想してしまうのは、普通のことであり、専門家の知識は偏っているのも当然のことである。その意味で、上記の反省は適切とは言えない。「変化を求めるあまり、施策の効果や実現性よりは、感情に訴える方を支持してしまう傾向が強くなった」を、キャッチできなかったと反省する必要がある。

  日本の場合は、なにごとも察することが良いとする文化があるためか、本当はもっと良く考えて決めなければならないことも、その場の空気におされて決めてしまいがち、という大きな弱点を持つ。先の大戦もそうだったが、東京都も「誰が決めたか分からない、空気で決まった」と言う。少しも、進歩していないのだ。
 

リーダーシップの役割

  議論が空気に流されそうになった場合、「それで良いのか」と状況に働きかけるのがリーダーの役割である。コラムVol.90(チームビルディングの技術を持つリーダー)で説明したように、リーダーが答えを持っていないような難しいテーマの場合、特にそうである。しかし、それだけでは十分でない。なぜならリーダーシップは、リーダーとフォロワーの相互作用によって生まれるものだからである。フォロワーの役割についても取り上げる必要がある。

  議論が空気に流されるのは、フォロワーの現状に対する不満が強く、「とにかく変えたい」という場合で、解決策が正しいかどうかに関心が薄くなった時である。「とにかく決めたい」という場合も同じようなことが起こる。こういう場合は、フォロワーにも責任がある。

  フォロワーの役割は、自分の意見を明確にのべることだけでなく、リーダーの行動を評価することと、結論に賛成する場合、「自分も本当にそう思うか」と振り返ることの二つの責任をともなう。この責任を放棄して、安易に結論に賛成してはならない。リーダーがその場の雰囲気に流されていれば、注意を促さなければならないし、自分が流されていないかチェックしなければならない。
リーダーとフォロワーがそれぞれ役割をはたして、初めてリーダーシップが効果を発揮し、状況に働きかけることが出来る。

 

リーダーシップを支える企業文化

  21Cの競争の仕方が、今後入手する能力も含めて競争する、という形になると、21C型HRMでリーダーシップ開発の果たす役割は、大きくなる。また、組織内一人親方のニーズが高まれば、自分に対して発揮するリーダーシップのニーズも高まる。

しかし、リーダーシップを大切と考える企業文化がなければ、リーダーシップ開発に資金やエネルギーは投入されない。文化は、変化しにくいだけでなく、模倣も簡単でない故、事後的に決まる戦略が採用されることの多い日本では、文化は所与と考える傾向が強い。そこで21C型HRMを考えるシリーズの最後に、企業文化を取り上げてみたい。

  企業文化とは何で、それは、どう機能しているのか、そして、どのようにしたら変えることができるのかが次回以降のテーマである。

 

 

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