自分のこととやりたいことが人より先にハッキリと分かった人がとるべき戦略は、先行優位の戦略である。目標達成に必要な条件の整備に人より早くとりかかり、競争相手より優位な位置を確保する戦略である。そのために、良い指導者に早く就くとか、目標に関係する知識やスキルを勉強する機会が多い学校や仕事を選択することを心がける。選択したキャリアが従来からあるもので、キャリアを取り巻く競争の状況が予測可能な場合は、自分の特徴点にあわせて競争の仕方を選択する戦略が採りうる。競争の状況とは例えば、その分野で専門家になことの難しさの程度などで、難しければそのキャリアを目指す人の数は少なく、やさしければ多い。自分の特徴点とは、時間やお金、学習能力など自分の持つリソースがどの程度かということ。弁護士と言うキャリアを選んだとして、お金があれば、退職して受験勉強に打ち込むという競争の仕方がえらべる。
キャリア目標が「撃て,狙え」のような手法でゆっくりと分かってきた場合とりうる戦略は、目標の明確度が増すごとに自分への投資や、仕事をする環境への投資を増やしていく戦略である。自分への投資とは、仕事に必要な能力向上に時間とお金を使うことである。
次にはそれぞれの戦略についてもう少し深く検討してみよう。