この戦略が適用可能なもう一つのケースは、選んだキャリアを取り巻く環境に、将来起こりそうな変化の重要度を、人より先に理解できた場合である。例えば、グローバリゼーション3.0という時代になって「人々が働く場所を世界中から選択するという傾向が強まる」と考えたとしよう。その場合、人材マネジメントに携わる人にはどういう知識や、スキルが必要かを考え、その獲得に目標に絞る戦略である。
人々が働く場所を選択するという現象を企業の側から見ると、人に選ばれなければならないということだ。優秀な人材を魅了したり、現在いる優秀者を引き止めたりする力が今以上に必要になる。そういう力の一つが人材開発力であろう。「ここにいれば、自分の能力を十分に伸ばすことが出来る」と思えば人は集まってくる。よって、「人材マネジメントにおける人材開発分野のウエイトが高まるので、学習理論やキャリア論について理解を深めておこう」といった考え方である。