ホーム  
3Dラーニング・アソシエイツ

コーヒーブレーク(2)

 
第12回 ウォートン・リーダーシップ・コンフェレンス参加報告 I

リーダーシップ・コンフェレンスとは

 毎年著名なスピーカーを集めることで知られる上記会議に、久しぶりに出席しました。といっても、日本の読者にはあまり知られた会議ではないので、内容を報告する前に、リーダーシップ・コンフェレンスとは何か、又、どうして関島がこの会議に出席するようになったか、を説明する必要があります。

リーダーシップ・コンフェレンスは、Wharton Executive Education がスポンサーで、ウォートンの二つのセンター、Center for Human Resources と Center for Leadership and Change Management がホストを務める、一日のレクチャー・シリーズです。1998年から通常年一回(2004、5年には二回)開催されています。一定のテーマにもとに7〜8人が、いわゆる官・産・学・ジャーナリズムから選ばれ話しをします。
今年のテーマは,求められるリーダーシップの最新の潮流 Emerging Trends in the Search for Leadership でした。参加者は、リーダーシップに関心を持つ人々で約300人、コンサルタントや大学関係者、企業の幹部などが多いのですが、バスケットボールのコーチなどのスポーツ関係者や医療関係者なども散見されます。今年はサウスウエスト・エアラインの社長コーリーン・バレットさんがスピーカーの一人でしたが、講師紹介の際、サウスウエスト・エアラインのパイロットがウォートンのMBAコースで勉強中で、本日の参加者のなかにいると紹介されていました。
 

1976年以来のお付き合い

 この会合に何故参加するようになったかは、ホストのウォートン人的資源センター Wharton Center for Human Resources と関係があります。

同センターの前身は1921年に設立された Industrial Research Department で、ビジネス・スクールに初めて作られた労使関係の研究部門です。その後 Industrial Research Unit と名称変更し、さらにその後、人事、労務といったファンクショナルな区分を超えて人的資源全体を研究対象にするセンターへと発展し、名称も現在のものになりました。

このインダストリアル・ユニットの時代に、人事勤労問題に関心を抱く企業幹部と大学の情報交換の場として、1967年に、リサーチ・アドバイザリー・グループが設立されました。その後、企業活動の場がワールドワイドな広がりを見せ始めたことに対応し、多国籍企業の幹部を対象とする同様の組織が1974年につくられました。それが、マルチナショナル・リサーチ・アドバイザリー・グループです。

この時のインダストリアル・ユニットの責任者が、大リーグのストライキのとき調停者として活躍された(残念ながら今年亡くなられてしまいましたが)ノースロップ教授です。日立も当時、ヨーロッパ、北米、アジアと工場が広がり始めていたので、労使関係の知識を世界規模にしておく必要を感じ、教授の誘いに応じて、アドバイザーグループのメンバーに加わりました。(日本からの参加会社は日立だけでした。)それで、アメリカに駐在していた私が、1976年から会議に参加するようになったのです。

このときの北米の会議には、アメリカに進出したが労使関係の違いに戸惑うヨーロッパの企業、ミシュランやデュポンなどが参加していました。会議はヨーロッパとアメリカでそれぞれ開催され、ヨーロッパの会議には、IBMやユナイテッド・テクノロジーなど欧州に進出したアメリカ企業が、たくさん参加していました。

 

今や、最も古いメンバーの一人

 1991年にフランスの工場に勤務したときは、欧州の会議に出席しました。(責任者は、ローワン教授に替わっていました)アメリカの時代に知り合った人がヨーロッパに戻っていて、やぁやぁということになったりしました。

以後も国際調達の仕事などについたため引き続き、大切な情報源として日立アメリカを通して活用させてもらいましたが、パソコンの会社の社長としてアメリカで二回目の勤務をしたときには、再びアメリカでの会議に参加するようになりました。現在のカペリ教授Peter Cappelli が責任者になっていましたが、アドバイザリー・グループの活動は続いており、今や私は最も古いメンバーの一人です。

通常、アドバイザリー・グループの会合は、リーダーシップ・コンフェレンスに出席する人と重なるため、コンフェレンスの前日か次の日に開催されます。カペリ教授は両方に関係することもあり、アドバイザリー・グループの会員は年会費を払っているので、リーダーシップ・コンフェレンスに参加する場合は、割引価格が適用されます。それで、私も、リーダーシップの方にも参加するようになったのです。次回はコンファレンスの内容を紹介しますが、一部は既に経団連事業サービスのホームページに書いたのでそちらも参考にしてください。

つづく

前のコラムへ バックナンバー一覧 次のコラムへ

※この関島康雄のコラムについてのご意見・ご感想がございましたら、メールにてお寄せください。
   メールアドレスは連絡先のページを参照願います。

Copyright since 2006  3DLearningAssociates All Rights Reserved.