また、大企業では関連する部署が多岐にわたるため、中小企業ではITシステム導入の経験が少ないため、(2)社内の意思統一、すなわちトップと部課長仕事の現場、あるいは製造と営業といった人々の間で、「どのようなことをITシステムに期待するか」についての合意形成が、上手く出来ない。この問題は昔からSEが抱える問題で、出来上がったシステムが依頼したもと違うというトラブルはたくさんあり、SIビジネスの赤字の原因となって久しいが、クラウド導入でも同じ問題が繰り返される可能性が高い。
システム設計にあたっては、クラウドは造るのではなく組み立てるのであるから、(3)これまで以上に部品についての知識がなければならないが、これまで造ってきたので、自社の持つ部品についての知識があるが、汎用的な部品についての知識は十分でないきらいがある。
(1)〜(3)の理由で、現在のSEは、今後システム建設の主流になると思われるクラウド対応をサポートする準備が出来ていないと言わざるを得ない。