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3Dラーニング・アソシエイツ

21世紀型人材マネジメント
 -組織内一人親方に好ましい生態系の創り方-

 
VOL.1  はじめに:モチベーションとは、The Energy to Do
  7月に独立して3DLAを立ち上げ、文字通り、一人親方になりました。なってみてつくづく思うのは、一人でなんでもやるのはとても大変だということです。先日もファクスを受信中に、インクリボンが終了しますという信号が出て、あわてて近所のオフィス・デポにかけつけました。事務作業をするたびに、パンチが必要とか、ホッチキスの玉切れとかで、オフィス・デポにはお世話になっています。この他、郵便局にいったり、領収書や請求書を発行したりと、こまごました仕事がたくさんあり、これまで社長として仕事が出来たのは、いろいろな人の支援のお陰と、改めて感謝している次第です。
  不思議なのは昔だったら雑用と思われる仕事をしていても、少しも面倒な感じがしないことです。いやそれどころか、新しいプリンターの立ち上げが出来たり、ファックスのリボンを取り替えたり出来ると、「PC音痴の割にはできるじゃん」と達成感を覚えたりしています。

モチベーションといえば・・・

  オリンピック選手が、「試合に向けてモチベーションを高めていく」というような言い方をよくするのに気がつかれると思います。これはモチベーションの定義をThe Energy to Do と考えているからです。世界記録をだして金メダルを首にかけてもらっている状況をイメージしたり、最後のスパートで逆転したりする様子を思い浮かべて、練習に集中するエネルギーとしているのです。
  モチベーションを高めるのに必要なものの一つが、成功した場面などのイメージなのですが、その他にもモチベーションに影響をあたえるものはいろいろあります。チャレンジしていると感じられる、できる感が感じられる、重要な仕事をしている、自分の能力を十分に使っている、大きな絵の一部を描いている、など等がそれです。
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  単に石を積んでいると思うのと、村の大切な教会の土台を作っていると思うのでは、結果に大きな違いがでるというのはモチベーションの説明によく使われる事例です。
私が現在こまごました仕事を雑用と感じず、面白がれるのは、一人親方がたくさんいる世界という大きな絵を描くことに、3Dラーニング・アソシエイツを通して参加しているからだと思います。
 

二つの著書を通して、伝えたいこと

  「Aクラス人材の育成戦略―教育力競争時代をどう乗り越えるか」という本で、企業の人材育成戦略は、経営の専門職を育てることと勉強したい人の応援の二本柱でいくべきだということを主張しました。 現在必要な人材と将来必要な人材とは同じとは限らないので、リスクを低減するために人材のポートフォリオを組むことが必要であるという考え方です。さらに、自律した専門家が偉いという価値観を、企業と個人が共有することが望ましいという意見を述べました。
また、「組織内一人親方のすすめープロ人材に自分で育つ方法―」という本では自律した専門家を、経営者でもあり従業員でもあるような人と定義し、一人親方と呼ぶことにしました。 そして一人親方は、専門性、自律性、自分らしさの三つの要素からなりたっていること、一人親方に自分で育つためには自分自身にたいしてリーダーシップを発揮する必要があること、ある意味で長期戦であるので戦略が必要なこと等を説明し、自分らしく生きるためのキャリア・デザインの方法について提言しました。

要はこの二つの本で、企業にとっても個人にとっても一人親方という存在は望ましいものなのだという主張を展開したのです。企業にとっては、どのくらいたくさん一人親方を育てることが出来るかが勝敗の分かれ目なのであり、個人にとっては、組織内一人親方は、自分らしく生きる方法の一つなのだという意見です。
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  問題はしかし、どのような人材マネジメントが、一人親方に一番ぴったりなのかについては、二つの本で部分的に触れられてはいるものの、十分には説明されていません。理由は、説明しようとすると現代の経営と人材マネジメントの関係について数々の整理が必要であり、用語やものの見方について再定義が必要であるからです。
 

あえて難しい課題に挑戦する

 しかし、3Dラーニング・アソシエイツが、人材開発の分野でしっかりした位置を占め、 自分らしい生き方がしやすい社会を創るという大きな絵を描くことに貢献できていると実感できるためには、難しいからと言ってこの問題を避けることはできません。大きな絵はモチベーションの源泉なので、今後の仕事に影響します。そこで、上手くいくかどうかは別にして、このコラムでチャレンジしてみることにしました。
21世紀型人材マネジメントとは大げさ過ぎるタイトルなのですが、そのくらい勇猛果敢でないと取り組めそうもない課題なので、あえて採用しました。組織内一人親方をたくさん育て、上手に活用するにはどういう仕掛け、人材マネジメントが良いか一生懸命考えてみたいと思います。
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「21世紀型人材マネジメント―組織内一人親方に好ましい生態系の創り方―」をテーマに、これからも関島康雄のコラムを掲載していきますのでご期待ください。また、このコラムに関するご意見・ご感想もお待ちしております。
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