「人材開発で社会に貢献するために、ワールドクラスと認められる存在になる」というビジョンを掲げたとする。当然、そういうビジョンを掲げるには理由があるはずである。例えば、グローバル化する市場で、急成長するインドや中国の企業に対抗するためには高度なマネジメント能力が必要であり、そういう能力を育てることが出来る教育機関がどうしても日本に必要だ、と考えたとしよう。
「ワールドクラスと認められる」とは、ハーバード・ビジネス・スクールやGEのクロトンビル研修センターのような存在になるという意味で、なれれば素晴らしいが、相当の努力が必要なことも明らかである。この目標に挑戦しようとすれば、この目標の意義を理解し賛同する人を集めなければ、目標の困難度合いから考えて、達成することは難しい。
ビジョンは、目標を明確にすることにより、チームのメンバーに元気をださせたり、覚悟をうながしたりするだけでなく、この目標に賛成する人は参加してくださいという、集まる人の条件を示す役割をも担っている。