海外進出の理由も、海外のリソース(市場の嗜好に合ったデザインをする能力、弁護士などの法律関係の知識など)を活用するため「市場に近いところで生産する」にウエイトが移ってくる。
このフェーズになると起こってくる特徴的な問題は、製品のライフサイクルが終わり撤退や製品転換を迫られる子会社が出てくることや、非日本人の間(例えばドイツ人とアメリカ人の間)のコミュニケーション問題などである。また、国内外の価格設定のありかたによっては、利益操作がおこなわれたのではないか疑われ課税されるケース(トランスファー・プライス問題)もでてくる。
国内では、海外に工場が移転したことによって生産量が縮小したことにより、工場の整理・統合が必要になってくる。また、製品や部品の輸出金額が減少するので国内の売り上げ額が少なくなり、研究開発費や事業部門のコストを回収することが難しくなってくる。通常は海外子会社が、特許使用料やブランド料のかたちで上記費用の一部を負担するが、立ち上げ期にあるものは多くを期待できないため問題が発生する。