現在では、既に多くの部品や材料のメーカーが海外に進出しているため、フェーズ1、フェーズ2(前期)を飛ばしてフェーズ2(後期)からスタートする場合も多い。この場合は、直接海外オペレーションに携わる人材の不足だけでなく、いきなり、内なる国際化の問題にぶつかることになり、困難はさらに大きい。
なぜなら、フェーズ2(前期)の段階では、生産関係の人材と経理など小数の間接部門の人が海外に出て行くかたちなので、国内で仕事をしている人は、自分の仕事と海外の事業がどのように関連しているか十分には理解できないためである。事業部、工場に海外国内の生産量や機種などを調整する部署が出来ても、現地側の意見と国内の意見は利害が対立し調整は大変である。問題解決には、海外工場での勤務を終えた人が国内の工場事業部のしかるべき地位につき、現地の事情を良く分かった上で判断するといった状況が生まれなければならないが、そのためには時間が必要である。