こういった現象は、通常のビジネスの上で海外事業と関係が薄い部門に海外から依頼がいった場合に発生する。現地側の事情にうといためにおこる配慮不足である。これは、日本側は協力的でないという印象を生む。
逆に、現地側が日本の事情をよく知らないために問題がおきてしまうケースもある。相談すべき部署や相談すべき人に相談することができない場合である。日本企業の場合、このような場合はこの部門に相談せよといった規則が制定されてはいないのが普通で、それは設計図に細かいことまで書いてないのと同様、常識の世界である。しかし現地で採用されたマネージャーは、そんなことはわからないので自分で判断してしまう。その結果、日本側に、現地は勝手な行動をするという印象が生まれてしまう。
これらのタイプの問題の解決策は、新しいビジョンの説明とそれに向けての運営方式の変更を周知徹底すること。日本側では、海外と関係の薄い部門の人々にも海外事業の実際をしらせること(内なる国際化)と、現地採用の人々に日本の事情を教えること(外なる日本化)。これらのニーズをワンセットにして対応する教育プログラムをグローバル化プログラム1と呼ぼう。従来のものとは量的、質的に大きく異なるので現地化プログラムという呼び方が適さなくなってくるからである。これは、次回のテーマであるフェーズ3への移行のために、どうしても必要な準備でもある。