21世紀型人材マネジメントという目標を目指して歩き出すにあたって、概ねの方向を決めるための手掛りとして、
1)競争の仕方
2)正しい答えは一つ(最良 best)か、それとも多数か(最善 better)、はたまた、基本と応用か
3)人材マネジメントの歴史
の三つについて考えた。(コラムvol.2「競争の仕方について」〜vol.8「簡単にマネされるものと、そうでないもの」を参照)
歩き出し時点での結論は、競争の仕方については「ビジネスモデルによる競争は続く」、正しい答えは一つか多数かについては、「判断を保留するが、HRMは均質化というよりは多様化の方向ではないか」、また、人材マネジメントの歴史をみると、時代ごとに企業業績に大きく影響する事象に貢献が求められてきたと判断できるので、今後は戦略を支援するHRMというよりは、「ビジネスモデルを支援するHRMが求められる」というものであった。
そして、歩きながら考えた結果はそれぞれ、グローバル化という外部環境から、1)は、世界中に競争相手とサプライヤー(広義)がいるという条件化での競争になる。2)は複雑性の制御が求められるので、対応は基本(プラットフォーム)と応用(機能デバイス)という形をとる。3)ビジネスモデルを支援するHRMであるためには、時に相反する価値(例えば、個人生活と会社生活、従業員と株主、グローバルな価値観とローカルな価値観)の同時追求、すなわち二兎を追うことができなければならない、というものになった。