専門家として仕事に責任を持つ以上、意思決定に加わりたいと考えるのは当然である。自分の判断が取り入れられないのであれば、頑張る理由がなくなってしまう。しかし、専門家の間で意見が異なるケースは通常のことなので、ここでいう「判断が取り入れられる」とは、意思決定に参画できるということと同義である。この場合、議論の仕方については「専門家であれば職位に関係なく一人一票の権限を持つ」という原則が貫かれる必要がある。
そうでなくて課長よりは部長の意見が優先するというのであれば、議論を通すことによって正しい判断に行きつくというプロセスが生きてこない。むろん議論することによって平凡な結論に落ち着いてしまうという欠点はあるが、異なる意見をぶつけ合うことによって革新的なアイデアが生まれるというメリットを生かさない手はない。