経団連のグリーンフォーラムという選抜課長研修のアドバイザーを、1期生から勤め、今年は13期生の面倒を見ている。10年以上課長クラスの定点観測ができる立場にいたわけで、お蔭でいくつかの変化に気が付くことができた。始めに気が付いたのは
、「目標値が低いのと身の周り以外のことには関心が薄くなった」という変化だ。10年程前から北海道大学で、企業に就職を希望する博士課程、修士課程の学生に、キャリア開発についての授業をしてきていて、この1番目の特徴には気が付いていたので、「課長クラスでもそうなのだ」とあまり驚かなかった。ところが、7年ほど前に
「グループ討議がうまく出来ない」という2番目の特徴に気が付いた時はかなり驚いた。学生もそうだったのだが、社会人になれば変わると思っていたからだ。
3番目に気が付いたのは、「説明が長いので『一言で言うと』という質問をすると、うまく答えられない」現象だ。これはグループ討議ができないのと同じ原因で、物事の優先順位、大中小関係をつける習慣に乏しいためと思われる。これが4番目の、「実行計画が上手く立てられない」という特徴につながる。グリーンフォーラムではリエントリープログラムとして研修終了後、「習ったことをどう活用するかを考える100日プラン」を作成してもらっているが、最近は、計画が、実行を上手く担保するようにできていないケースが増えている。
自分で計画を立てて、自分で実行するという体験も乏しいのでは、と心配になる。