複雑性が高くなり、予測が難しい環境下では、強い者が生き残るのではなく、変化に対応できたものが生き残る。よって、戦略目標の最上位は,なにをおいても「変化に適応して、自分や自分を取り巻く環境を変える能力の確保」にならざるをえない。そのためには、まず、変化を当然とする企業文化をつくらなければならない。よって中位の戦略目標は、 変化対応能力の三種の神器、俊敏agile, 旅程(やり遂げるための筋道) journey, 即応体制 readiness を体現した企業文化の創造となる。その上で、HRMの部品を一つずつ、「変化能力の視点から点検する」が具体的な戦略目標になる。コラム113から117まで組織について再検討したように、HRMの各要素を変化対応能力の視点から見直されなければならないのだ。
では、人材開発についてはどうか。再論としてはコラム108〜112で、長寿命化の影響と自分で育つ気持ちについての問題点と対策、すなわち、戦略ミドル不足、キワード理解、自分に対して発揮するリーダーシップの不足などについて議論した。しかし、人材確保の方法については特に検討していない。だが、How to change の時代の影響を最も強く影響を受けるのは、人材開発についての考え方である。