小さく賭けるsmall bet に適したやり方が、リアルオプションと呼ばれる方法である。たとえば、受注が好調なので生産量を増やすため工場を建設する場合、建設コスト100円の工場を1棟建てるのではなく、半分の大きさの工場をコスト60円で2棟たてるようなやり方で、2棟目は、受注の伸びを見ながら着工時期を判断する。1棟を建てる場合よりもコストはかかるが、予想が外れた場合、資金回収のリスクは小さくなる。
1棟目も初めからフル生産が可能な設備を全部入れるのではなく、徐々に増やしていく。そのための判断基準も、単なる受注額ではなく、新規顧客からの受注比率や機種別の受注傾向などにより細かくステージ分けをおこない、新規顧客からの受注が20%を超えたら需要は強いと考えフル生産能力とし、30%を超えたら2棟目を着工するなどの基準をあらかじめ策定して、リスクの軽減を図る。