受講生との対話を増やすことにより、完走者を増やそうとする対策の第一歩は、事前課題である。事前課題は、受講生に、「この講座は、自分の人生に影響のある大切なことを学ぶためのもの」という印象を与え、本気で完走を目指す気にさせるのが目的である。今回は、合格した者にだけ e-learning を受講するためのパスワードを与えることとしたが、これは、自分の進路について考え方が定まっていない日本人学生には受講を遠慮して欲しいからである。(ちなみに留学生は日本での就職を希望している国費留学生が対象)
受講生を学習目標にあわせスクリーニングすることは、教育の質を高める上で必要な措置で、受講資格は「希望する者」ではなく「受講を希望する者で、受講することが適当と認められたもの」という基準は、選択科目であるので受け入れ可能と考えた。
事前課題は、手書きのレポート提出とし、提出先は担当教授とした。事前課題に取り組む前に、事前課題の意味を説明し、自己の将来について考えることに興味が薄いという人には、「まだ技術者としての将来を定める準備が出来ていないので、企業と仕事特論の履修を続けるのは適切とはいえない」と伝え再考(担当教授からコメントを受けることを条件に、再提出を許可)をうながした。手書きとしたのは、理解度テストなどの際、コピペをおこない難くするためである。