この二つの力を身に付けるにはどうするかが問題だが、マネージメント能力は見様見真似でも、ポストについてから学習することができる。ところがリーダーシップは、「リーダーの資質は生まれつき」という偏見もあるくらいで、簡単には学習できない。理由は、いろいろなタイプがあるだけでなく、状況により異なる発揮の仕方が求められるからである。
人は、子供のころからリーダーとフォロワーの関係をたくさん経験していて、少しずつリーダーシップについて学習している。どうしたら、遊びに誘えるか、意見を受け入れてもらえるか、などなど。相手が友達であったり家族であったりしても、リーダーとフォロワーの関係は存在する。そのため、全くリーダーシップを発揮したことがないという人はいない。上手か下手かは別にして、ある意味、みんな経験がある。しかし、喜んで仕事をしてもらうためには、目指す目標(ビジョン)、そのためにチームが果たすべき使命(ミッション)、どのような過程をへて目標を達成するかという工程(プロセス)などを、相手に上手に説明する必要があり、リーダーシップを発揮するための手続きは複雑化する。