毎回この会議には、軍人がスピーカーとして登場しますが、命のやりとりを生業とす る軍隊がもつリーダーシップについての知見は、一目置かざるを得ません。今回、関島が関心を持っていたのは、分散型のテロ組織に対する戦いに、陸軍は「どのようなリーダーシップの発揮の仕方が必要と考えているか」を、Allyn将軍の演説から垣間見ることが出来るかどうか、でした。正規軍との戦闘では、指揮命令系統のハッキリした先頭に立つリーダーシップが有効だが、テロ組織のように小グループで自律的に行動し、組織の中核がどこかが分かりにくいネットワークに対する戦闘では、リーダーのところに情報を集中し、決断、実行というプロセスでは、防ぎきれないというのが実感だからです。
将軍のコメントは、現在の戦いは、Decentralized な環境で他の組織と共同で活動することが求められるので、リーダーは「理解して、見える化し、言語化し、決断して、実行をリード、結果を分析し、再び理解して以下のプロセスの戻る」という形でリーダーシップを発揮する必要がある。この場合、ボトムアップが不可欠ゆえ、部下への権限の委譲が大切。組織間、地域間の情報交換を密にして、従来以上にチームとして機能するよう努力しなければならないというものであった。