戦略論でいう内部コンテキストには、今後獲得する資源も含まれる。その意味で、学習能力や自分を変革する能力が重要になる。ただ、何でも学習すればよいわけではない。戦略目標の達成に役立つ学習でなければならない。先に説明した「撃て、狙え」でいえば、闇雲に撃つのではなく敵のいそうな場所に向かって撃たなければ、目標は発見できない。敵のいそうな場所を見つける必要がある。(この方法について詳しくは「キャリア戦略」参照)
学習は、行動様式を変えるために必要で、変わることが必要なのは、内・外部環境が変化したためである。だが変化に気がつかなければ、行動はおこらない。環境変化に敏感でなければならないし、対応も素早くなければならない。その為には、普段から準備が出来ている必要がある。即応力とかreadiness と呼ばれる組織能力だが、個人も変化に対応する準備が出来ていなければならない。キャリア戦略の目標も柔軟なものが良い。「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」を目標とすべきである。その方が、柔軟性が高い。目標が「病気に苦しむ人を助けたい」であれば、医師になっても薬を作る人になってもあるいは車いすを作る人になっても良いのだから。