「和を以て貴し」となす日本の場合、混乱期を上手く創れるかどうかが最大の課題である。この段階を時々意図的に創れるようでないと、常設組織のメンテナンスはできない。
混乱期は同床異夢。集められたメンバーそれぞれの「現組織が作られた理由や現状の問題点についての理解」は、バラバラで、取るべき対策についての意見もバラバラである。この段階で十分意見を闘わせ、考え方を擦り合わせないと、対策を実行する段階になって反対意見が出て手戻りが発生したり、改善策が不十分なまま実行に移されたりして、目標が不十分にしか達成できない事態がおこる。
この事態を避ける方策は、十分議論の時間をとるのと、現状認識の段階で、少数意見も無視せずに記録に留めることが大切になる。終息期に活動を振り返る時の手掛かりとして役だてるためだ。もう一つ重要なのは、チームのメンバーの人選である。現状組織がどのように機能しているか良く知っている人を選ばなければならないが、既存の組織に属する人は、自分の組織の問題点を必ずしも正確に把握しているとは限らないし、自分のしてきたことが議論の対象になるので、防衛本能も働く。よって、外部の関係者で利害関係のある人や人材マネジメント、プロジェクト・マネジメントなどの専門家も加える必要がある。