学んだことを実際に使えるものにするための作業を学習理論では、統合と呼ぶ。この作業無くしては、学習は完結しない。
現在の企業間の戦いは「戦略の優劣で決まる」とされているが、戦略は実行されなければ意味がない。優劣には戦略の実現能力も含まれるのだ。それ故、戦略の実現に不足する能力があれば、「自分で育てるmake」 か、「外部から入手 buy」しなければならない。企業は現在持っている能力だけで闘うのではなく、今後獲得する能力も含めて闘うことになる。このことを重視する戦略論を Dynamic Capability 論とよび、近年盛んに研究されているが、従来にも増して「自分で育てるmake」の重要性が高まっている。要は,一試合ごとに強くならなければ、競争に勝てないのだ。一つの経験から学んだことを次に生かす能力、すなわち、経験の再利用する能力の有無が勝敗を左右する。よって、抽象と具体を行ったり来たりする能力がチームに不可欠なのである。