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3Dラーニング・アソシエイツ

2021年の活動状況

3Dラーニング・アソシエイツの2021年の活動状況等をお知らせします。
※最新の活動状況はお知らせをご覧ください。

関島の活動状況

 

年末年始の営業新着

    年内の営業は12月27日まで、仕事始めは1月7日とさせていただきます。
少し早いですが、皆様、良いお年を。

以上

(情報掲載日:2021年12月15日(水))

関島の活動状況

 

北大で授業

    9月28,29日 北大工学部の博士課程の学生に、サプライチェーンマネジメント(SCM)と異文化コミュニケーションの授業をしました。これは工学系の学生に、企業で活躍するのに必要な広い範囲の知識を与える目的で作られた「北大フロンティアプログラム」の一環として行われたものです。

SCM
    今回は、SCMについては、スエズ運河での座礁事故、環境保全問題、タイや中国での人権侵害問題、などがあり、講義内容の大幅な改定が必要でした。通常は製品にいたるまでのSCMがテーマですが、今回は上流のSCM、すなわち部品を作るのに必要な上流のSCMも含めた統合的管理がテーマとならざるをえなくなったためです。     授業は理解度テストをもって終了となるのですが、この採点が大作業です。昨夜、採点したのですが、教え方について考えることがいろいろありました。     理解度テストの設問は、以下の3つです。1.なぜSCMが必要になったのか理由を挙げて説明してください。2.SCMの効率を上げる手法を3つあげてください。3.なぜ契約が必要か、国際取引の事例で説明してください。     問題は、1番が最も出来が悪かったことです。大部分の人が「なぜWhy」に応えずにSCMの機能について説明したのです。「なぜて、こういうことが出来るからさ」というロジックなのですが、当方が求めた答えは、「競争の仕方がグローバル化し、世界中から安くて良い部品を集め製品化し、世界中に販売するために統合管理方式が必要になった」です。     SCMという専門分野に知識が乏しかったためにSCMとして習ったことに頭が行ってしまったと思われますが、他の一面は、「世界中でどのような形で競争が行われているか」について関心が薄いためとおもわれます。     フロンティアプログラムには企業経営に関する基礎知識として、「現代の競争と経営戦略」という講義があるのですが、どうも経営戦略の方に重点が置かれ、競争は前提条件扱いのようです。これは、講師の方々に実戦経験が不足しているためと思われます。今後対策を考える必要があります。

異文化コミュニケーション
    異文化コミュニケーションの授業では、文化の違いがコミュニケーション・スタイルの違いや行動様式の違いを生むことを理解させる目的で、highコンテキスト文化とlow コンテキスト文化の違いや、パワー・デイスタンス・インデックス( power distance index )について説明しました。受講生には米国留学経験者や中国、韓国からの留学生はいたのですが、ヨーロッパからの留学生が不在で残念でした。

以上

(情報掲載日:2021年10月14日(木))

関島の活動状況

 

私のセプテンバー イレブン

コロンビア大学のSenior Executive Program 受講
    私のSept. 11は、コロンビア大学の2001年Senior Executive Program と強く結びついている。コロンビア大学のこのプログラムは、1951年にスタートしたが、 この年、ファイナンシャル・タイムズの経営幹部研修プログラムのランキングで、第1位に格付けされていた。 この時私は、日立製作所の経営幹部を養成する研修所の所長をしていて、世界のトップクラスの経営幹部研修は、いったい、どんなことを教えているのか知りたいと考えていた。そのためには、実際に研修を受けるのが一番だが、コロンビア大学の経営幹部研修を受けるには、条件が3つあった。

入学には社長の推薦状が必要
    第一は、事業規模50億円以上で5億円以上の収支責任を持つ仕事の責任者(経験者)で、第二は、将来の経営幹部の候補者である旨を記した社長の推薦状の提出、そして第三が、なぜこのプログラムを受けたいか理由をまとめた論文の提出し、論文審査に合格した者に対して行う面接試験に合格すること。一は少し前まで国際調達部長をしていて購入規模60億円(月)で10%(月)、6億円の値引き獲得が予算であったのでOK,第三の条件は、頑張って書けばよいので何とかなりそうだが、問題は第二の条件である。社長には推薦状を書くのを頼みにくいので自分で書いて、サインだけもらいにいくことにした。「この推薦状は何?」という社長の質問に、「日立の経営幹部研修の責任者で優秀なので、ぜひ受けさせたいという内容です」「フーン、では置いていけ、いろいろサインするものがあるので後でまとめてサインする」ということであった。翌日書類は戻ってきたが、メモが付いていて、「受講趣旨には賛成、本人が優秀なので、というところは賛成できないので、サインは左手でおこなった」とあった。以後、事前課題に精力的に取り組んだことは言うまでもない。

テロと闘う
    そこにSept.11である。当然、9月30日から始まる研修は、中止か延期になると考えた。ところがコロンビア大学からの連絡は、「テロに負けないためには平常通りに生活をすることだ。コロンビアはテロと闘うために、断固、通常どおりコースを開催するので、予定どおり来て欲しい」というものであった。
    日立製作所では、安全のために当分の間アメリカへの出張は禁止する、という通達が出ていたが、こういう時に行かなければ日本の名が廃る、と決めて参加することにした。経営研修所は、日立製作所とは別法人なので、別の判断をしても良いと勝手に決めたのだ。
    プログラムは、9月30日から始まるので、いろいろなトラブルの可能性も考え9月28日のJALを予約した。フライトはキャンセルされることなく飛んでくれたが、ビジネスクラスの乗客は、たったの4人でジャンボ機のアッパーデッキに集められ、食事は好きな時にと家族的なサービス。おかげでまだ読み終えていない事前配布の論文に集中することが出来た。

生涯で最も勉強した4週間
    研修はマンハッタンから北に100キロ以上離れた山の上にある鉄道王ハリマンの邸宅だった施設で行われた。町の名前もハリマンという。そこにたどり着いたのは17カ国の45名で定員60人のうち15人がキャンセルしていた。
    到着するまでにはそれぞれ苦労があった。ワールドトレードセンターに突入したのはガソリンをたくさん積んだ長距離フライトだったので、何事にもプラクティカルに反応する傾向のあるアメリカ人は、西海岸から3回も乗り継いでやってきたし、マイアミやオハイオからは車できていた。欧州からもフライトキャンセルが続出する中、乗り継ぎ乗り継ぎしながらやってきていて、小生のように直行便でニューヨークまで来たケースはまれだった。(あらためてJALの男気に感謝)普段は参加者がたくさんいる韓国、台湾、中近東からはだれもこなかった。
    かくて気合の入った先生方と気合の入った生徒の間で壮絶な授業が始まり、「生涯で最も勉強した4週間になるよう努力せよ」というプログラム・ダイレクターの指示は、大部分の参加者によって果たされることになった。

レギュラーになれましたか?
    この研修で得た最大の収穫は、カリキュラムを調査しただけではわからないレギュラーポジションをとるための闘いの激しさだ。レギュラーになるとは、「仲間に競争相手として一目置かせる存在になること」で、世界中から集まったCEO候補生の間では、それは簡単には入手できない。このコースは、最後に「経営者に必要な知識とスキルのセットの内容は、できましたね。で、諸君は卒業後、経営者というポストをねらうレギュラーをめざしてもうひと頑張り努力できますか」と覚悟を問うのだが、イエスでもノーでもこの問いに応えられるのは、レギュラーポジションを目指して全力で闘った人だけである。だから、イエスでもノーでもともに価値がある。自分の人生の目標達成に必要な努力の量を実感した上での答えだからだ。よって最終日のお別れのパーティーは、にぎやかなものにはならない。どちらかというと静かでそれぞれが物思いに沈むものになる。「君はどうする」が、共通する会話の始まりの言葉だ。
    私も日立の経営幹部研修でもこの質問が発せられるようプログラム開発に力を入れなければ、と覚悟を新たにし、バーボンウイスキーのブラスを傾けた次第

以上

(情報掲載日:2021年9月29日(水))

関島の活動状況

 

サプライチェーン マネジメント(SCM)の講義資料のバージョンアップ

  変化への対応
  最近SCMに関する話題が増えています。事故や倒産などの通常のリスクのほか、人権問題や環境保護などについても配慮することが求められているためです。9月に北大でSCMの授業する予定もあるので、この際、SCMの講義資料を改定することにしました。
  例えば、CO2削減のためのモーダルシフトといわれる現象の影響を考慮する必要があります。トラック輸送から鉄道輸送への移行や空路を海路に変更するなどの動きですが、当然、輸送時間やコストに大きな影響が出ますので、SCM全体の見直しが必要になります。
  また、ミャンマーやアフガニスタンなど、人権問題が発生している地域からの部材の購入は、避けざるをえませんし、東南アジアの大雨によるダメージなど天候異変についても考慮しなければなりません。どこから何を、どのくらい買うか決める元となる値段、品質、納期といった基本的な数値だけでは判断できないのです。であればこそSCMが持つ本来の機能が生きてきます。
  変化が激しい場合、いろいろ予測しても当たらないので、予測することに努力するよりは、変化に素早く対応することに力を注ぐべきです。こういう状況を私は、「進化論的状況」と呼んでいます。恐竜ではなく哺乳類が生き延びたように、強いものが生き残るのではなく変化に対応できたものが生き残るのです。SCMは、どこかに問題が発生した場合、その部分を別なルートに切り替えることによって素早く対応できるようにするためです。「単に、良いものを安く買うための手段ではなく、変化に素早く対応するための手段」だと考えて、その整備に努力してほしいと思います。

SMCの3要素
  SMCの3要素といわれるものは、すべて変化に素早く対応するために必要なものです。
    Agile (俊敏):急な需給関係の変化に対応
    Adaptable (適応性):市場の変化に対応
    Aligned (整列);戦略の変化に対応

  部品材料の購入先を決める際、上記の3条件に照らし判定する必要がありますが、購入先のリスク管理についての情報を入手するのは、企業秘密に関連する部分も含まれるので、簡単には入手できないかもしれませんが、例えば「今回のスエズ運河での事故のようなことが起こった場合の対処策は」と欧州の取引先に質問してみるのは、必要な作業です。リスク対策に力が入っている企業は、この時とばかり詳しく説明してくれるはずです。「どうしてそんなことを聴いてくるのですか、当社はいろいろ対策をとっているので、ご心配なく」といったたぐいの反応の場合は、要注意です。非価格的価値というと従来はブランドやサービス関係が中心ですが、リスクの種類が多様化した現在、リスク対策は場合によっては、値段にコストとして正式に盛り込み明示することも考えるべきです。絶対に納期通り品物を入手したい、という顧客向けのサービスでは、リスク対策の費用も対価としていただく、というビジネス・モデルは、今後広がりをみせるのではと考えます。

以上

(情報掲載日:2021年9月10日(金))

関島の活動状況

 

セミナー「具体と抽象の往復」シミュレーション第3回の参加者募集

  議論や思考の質を高めるには、具体と抽象の間を行ったり来たりすることが大切、ということで、先にミドルマネジャー向けの具体と抽象往復能力を高めるためのシミュレーションを実施しましたが、今回、これまでの論点整理と獲得した情報の共有化を目標に第3回の 会合を下記により開催します。
    日時 8月28日(土) 13:30〜15:30
    場所 それぞれの自宅などよりオンライン(Zoom)参加
    対象者:マネジメント共育ネットワークのお得意先及び関島塾卒業生
    参加申し込み、お問い合わせは、マネジメント共育ネットワークのメンバー、
    または https://www.npo-mcn.net/ まで

以上

(情報掲載日:2021年8月9日(月))

関島の活動状況

 

3Dラーニング・アソシエイツ創立15周年

  3Dラーニング・アソシエイツは、2006年7月設立なので、この7月で創立15周年となります。そこで7月30日、パトナーの小泉さんと二人で、ささやかな会を設けました。と言ってもコロナ下、乾杯無しのお蕎麦屋さんでの昼食会。今後の3DLAの在り方について議論しました。

  現状は、セミナーが開催できないので売り上げゼロの月が続き、事務所の家賃の支払いに事欠く状態です。それを、株式の運用益や北大の講師手当で補っていますが、これでは正常な事業とは言えません。3DLAの活動を継続するかどうか、真剣に考えなければいけない時期に来ていると考えます。今後、セミナーの卒業生を含む関係者の皆様とどうするか相談していきたいと考えています。

以上

(情報掲載日:2021年8月5日(木))

関島の活動状況

 

戦略論入門セミナー(5会合、1延長戦あり)を10月に再開します

  コロナ下、セミナーの開催を控えてきましたが、ワクチン接種も進んできましたので少人数(最大でも8人程度)のクラスルーム型(リモート参加も可)のセミナーを10月から再開することにしました。 日程の詳細は追って連絡しますが、第一会合を10月5日(火)3DLA の事務所(在 横浜 関内)、延長戦を10月23日(土)、関島の別荘(在 大磯)で予定しています。

  皆さんの戦略には、コロナのような出来事がリスクとして織り込まれていたでしょうか。想定外の事態は、通常、起こる方が普通です。どういうことが起こるかは予測できないので、一番確かな対応策は、戦略に余裕を持たせることです。物事の準備期間を長めにとる、目標値を抑え目にする、予算、人員を多めに見積もる等々、余裕の持ち方はいろいろありますが、要は、「あらかじめ、選択肢の幅が広くなるように計画を作っておく」のが要です。がちがちに方向が定められた計画は、戦略とは呼べません。

  コロナ過は、戦略について改めて考える良い機会を作ってくれました。この際、腰を落として戦略全般についてじっくり考えてみては、いかがでしょうか。 皆様の参加を期待します。

以上

(情報掲載日:2021年6月21日(月))

関島の活動状況

 

セミナー「具体と抽象の往復」のシミュレーション参加者募集新着

  議論や思考の質を高めるには、具体と抽象の間を行ったり来たりすることが大切と考えています。そのことを強く感じる理由は、最近グループ討議が上手にできないという場面に、しばしば出会うからです。これは、メンバーが普通のビジネスマンや学生の場合だけでなく、課長クラスのビジネスマンや博士課程の学生の場合でも起こっています。
理由は、与えられたテーマ(抽象)について十分な議論をしないまま、いきなり各論(具体)に入ってしまうからです。その為、求められていることは何かについての理解が各人異なり、対話が生まれにくく、議論が深まらないのです。
具体と抽象を行ったり来たりする能力を高めるためのプログラムの、紹介、ご相談の機会としてシミュレーションを、下記要領にて実施します。

日時:6月19日(土)13:30〜15:30
内容:ミドル・マネジャー向けプログラムのご紹介及びご相談
場所:それぞれの自宅などよりオンライン(zoom)参加
対象者:マネジメント共育ネットワークのお得意先および関島塾卒業生


参加申し込み、お問い合わせはマネジメント共育ネットワークのメンバー
または htts://www.npo-mcn.net/ まで
        MCNのアドレスは次の通りです。http://www.npo-mcn.net

以上

  抽象は具体の範囲を規定するという機能があります。例えば、R&Dを担当する組織を新たに創る場合、「部長、課長といった階層をどうするか」とか、「どういう専門家を集めるか」といった議論(具体論)に入る前に、「組織とはどういうものなのか」といった議論(抽象論)が必要になります。そもそも組織は「戦略の実現手段」であり、ビジネスモデルを実行するために、「人、もの、金、」を効率よく使うための土台です。そういう理解を前提に、どういう組織が必要かを考えなければ、担当機能がハッキリしない。

  組織は、構造とルーティンと企業文化によって作られています。組織構造の原理は分業で、縦(職位の階層)と横(専門職能)の分業の組み合わせで、それによってルーティン(仕事の領域)が決まってきます。どういうことが効率的かという判断は、企業文化により影響を受けます。見本を示し、その通り行わせるが、効率的という考え方もあるが、作業手順は自分で考えさせる方が長期的には効率的という判断もあり、どちらが好きかは企業文化によるのです。組織を動かす人を選ぶ場合、これらのことを十分認識していないと人選を誤り、組織がビジネスモデルの実行を邪魔するというケースが発生しかねないのです。

  (情報掲載日:2021年5月26日(水))

関島の活動状況

新セミナーのシミュレーションのご案内

  前回のお知らせ(12月8日)で紹介した、「具体と抽象の行き来をトレーニングするセミナー」の開発が進み、試作版ができあがり、ブラッシュアップの手掛かりを得ることを目標に、シミュレーションを下記によりおこなうことになりました。
4月24日 13:30〜15:30 オンライン(Z00M)で自宅より参加
参加対象者は、MCN(マネジメント共育ネットワーク)関係者と関島塾卒業生(含むグリーンフォーラム卒業生)に限定されています。参加を希望する人はMCNのホームページ経由でお申し込みください。
MCNのアドレスは次の通りです。http://www.npo-mcn.net
よろしく。

以上  

 

  (情報掲載日:2021年3月31日(水))

‘21 新年の抱負 「How to change 時代のHRM」を探求する

  「Aクラス人材の育成戦略」を経団連出版から出してから15年以上が経過し、ビジネスを取り巻く内外コンテキストも大きく変化しており、改めて人材開発について考え,再設計する必要がある。

1.どのように変化するか

「Aクラス」の時代は、教育力競争の時代:ビジネスモデルで闘う時代で、
@ 勝ちパターンが長続きしない、優勝劣敗が素早くきまる、という特徴が明らかになった。Fast eats slow . Winner takes all.
A そのため、変化に素早く対応することが必要となり、戦略(定義すると、やりたいことを実行するための基本方針で、目標やその達成のための手段を明記したもので、詳細は別途、実行戦略として臨機応変に規定される)や、その共有化のための努力が、重要となった。
B 変化に素早く対応するためには、支持を待つのではなく、自律的に判断行動できる人材が必要。自律的人材はそれぞれの判断で行動するので、ばらばらな方向に進んでしまう可能性がある。それを避けて目指す方向に進んでもらうようコントロールするのに必要なのはビジョン(何をやりたいか、なぜやりたいか、どうやりたいかを明示したもので、人をわくわくさせるような目標をかかげたもの。ビジョンに従って各人が自律的に判断、行動すると期待して作られている)。それゆえビジネスモデルを実行するのに必要な戦略策定の際、ビジョンの重要性が高くなった。
C 男女ともに仕事を持つのが普通の時代となったため、人材マネジメントも公私の生活バランスを支援する方向へ変化した。Employability, Attract and retain これにたいして現在は、恐竜が絶滅し哺乳類が栄えるというような大きな変化の起こる時期にある。Lester C Thurow は1996年に、その著書「 資本主義の未来」で、その理由を、共産主義の終了、頭脳産業の時代、人口動態の変化、グローバル経済、覇権国の不在、としているが、現状で再点検してみるとそれぞれ、資本主義の多様化、AIやビッグデータの活用、少子高齢化と発展途上国の人口増と難民、グローバル化は、均質化する世界ではなく多様化する世界をつくる方向に作用、米中ともに覇権国とは言えず不在であり、現在の方が変化の起こる理由は強化されている。それにコロナウイルスである。大きな変化は避けられそうにない。
環境変化の規模が大きくて速い場合、「強いものが生き残るのではなく、素早く変化に適応できたものが生き残る」という進化論的な状況が優勢になる。How to change が生き残るための課題なのだ。よって人材マネジメントもHow to change 時代にふさわしいものに改訂しなければならない。

2.多様な要求へ対応できる構造

人材マネジメントが対応すべき外部コンテキストの主なものにアンチ強欲資本主義、株主中心主義対ステークホルダー中心主義があるが、国ごとに異なる公平感、納得感の産物でもあるので、個別の対応が必要になる。
一方で、人材マネジメントがビジネスモデルを支援する役割を持つ以上、そのお客、提供する価値、競争の仕方についても配慮しなければならない。例えば、人材マネジメントのお客は大企業の経営者から管理職、従業員、自営業の人までに広がっている。長寿命化も進んでいるので、若年層から高齢層までの広い範囲の人の、それぞれのニーズにも対応しなければならない。多様な要求に応えられる構造、例えば「プラットフォーム(基本となる考え方を示したもの)とデバイス(お客さんごとに差し替えができる部品)」、といった仕組みが必要になる。

3.人材マネジメントを構成する部品の再点検

人材マネジメントをHow to change 時代に適したものにするためには、その部品を変化 に対応するための3要素(俊敏性、実行プロセス、準備体制)から見直す必要がある。部品とは、この場合、雇用方式、組織、処遇制度、人材開発、などなどのことであるが、部品同士が連動して How to change を支援するように工夫されていなければならない。
また、適応すべき内部コンテキストの主なものに、自分で育つ意欲の低下、OJTの形骸化、職場に存在する強い同調圧力、戦略やリーダーシップについての理解不足、文脈理解が不得意な人などがある。これらは、個々の部品の設計上、個別に配慮が求められる。

再設計に当たっては、課題がとても大きくて複雑なので、この種の問題に取り組む時の定石「撃て・狙え」を採用する。修正や後戻りが頻発すると思われるが、めげずに、人材マネジメントに関係する分野の新しい考え方を広く学習しながら、粘り強く取り組み、人材マネジメントの進化に貢献できればと考える。

以上

 

  (情報掲載日:2021年1月15日(金))

コズロフスキーの活動状況

ニューヨークでHRMに関する活動をしているKozlowskiからのレポート「Reports from New York」はコラムをご覧ください。


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