これに対して、最善のHRM派は、「人材という経営戦略を構成する要素のコストパフォーマンスをいかに大きくするか」がHRMの目的と考える。戦略との適合性が大切で、戦略が異なれば必要とする人材も異なると考える。そのため外部労働市場を活用することもいとわない。企業は株主のものという考え方が強い。最良派にくらべ目標の範囲をより限定することにより、やるべきことをはっきりさせようというのだ。
企業の戦略もHRMも、外部環境へのフィットと、自分の手持ち経営資源の特徴とフィットの二つが要求される。この場合、経営戦略は外部環境を考慮の上策定されるので、策定された経営戦略によくフィットしたHRMであれば、当然外部環境に適合したものになっているはずである。
それゆえ、組織が持つ経営資源を考慮に入れて選択されるHRM上の諸施策が、お互いに他を補強しあって自分の特徴点を活かすようにできているかどうかに、主として関心を集中すればよいということになる。