ホーム  
3Dラーニング・アソシエイツ

コーヒーブレーク(80)

 
How to change 時代の戦略J 個人が準備しなければならないことB
 
 

キャリア目標B


社会人教育に貢献する

  偶然の出来事により形成されたキャリア目標は,言ってみれば遠くの丘の上の旗であり、人は、それを目指して進むのだが、旗は固定されていなくて、右や左に動いてしまうのが普通である。その為、進むべき道もそれに応じて変えなければならない。その意味で、歩き始める前に複数の道筋を検討しておき、いつでも方向転換をできるようにしておく必要がある。営業一筋で進むケースと、途中から管理部門あるいは資材購入部門に移籍するケースを考えておくのだ。広く企業活動を観察し、専門分野を2つ以上持てるように準備しておかなくてはならない。

障害物

  日立製作所退職後の第一の目標は、「社会人教育に関する仕事を続けられる体制を創る」であったので、3Dラーニングアソシエイツという会社を立ち上げた。セミナーの開催が出来る会議室つきの事務所を新橋に借り、活動を始めた。収入は主として主催するセミナーの受講料によるものであったが、これまでの人間関係が役に立ち、収支はトントンで運営することができた。また、Aクラス人材の育成戦略(平成16年出版)、組織内一人親方のすすめ(平成18年)チームビルディングの技術(平成20年)、キャリア戦略(平成28年)改定チームビルディングの技術(令和1年)、の5冊の本を経団連出版から出すことができた。
  社会人向けのプログラムで長く続いているのは、北海道大学のフロンティアプログラムで、これは北大の公募に応じ、「合格!」となったものだ。グローバル競争という概念は言葉だけが先走り実際の状況は説明されないため、なにやら上等な仕事と学生は理解していた。だが、グローバル競争の実情は「ドロドロした売り手と買い手の交渉」や「輸送方法や関税などの費用の削減手段の開発」の上に載っていて、とても「かっこよいもの」ではなく、 本格的な実務の勉強無しには取り組めないものであることを理解してもらいたいと公募に応じたものだ。非常勤講師として「企業と仕事特論」と「グローバルマネジメント特論」の2講座を担当しているが、工夫したのは文化の違いの教え方で、これは自分の体験を説明材料に使っていて、少し自信がある。たとえばウサギと亀の競争から得る教訓が国ごとに異なり、びっくりするようなものがあるのだ。例えば、寝ているウサギを起こさない亀は悪い やつ、という解説だ。競争にこだわって、やるべきことを怠った。寝ているのではなく急病で倒れているかもしれないではないか、というわけだ。

「文化の違いに鈍感」は日本のウィークポイント

  日本は、単一民族なので文化の違いにあまり敏感ではない。せいぜい地域差といった受け止めで、文化の持つ影響力の大きさに気が付いていない。その為日本流が通用すると思いがちであり、ときどき海外でトラブルを引き起こす。反対に日本流は一般的でないと思いすぎて、日本流の良い点を放棄してしまったりする失敗も散見される。実際上は、文化の違いを意識したうえで、日本流を採用する場合には丁寧に説明するといった姿勢が大切だ。椅子に座っての会合で足を組むのは無礼と受け止める場合と、足を組むのは直ぐに立ち上がって会合を離れるのではなく、「あなたの話をじっくり聞きますよ」というサインと受け止めるのでは、大きな違いがある。フランスの場合は後者、というのが体験からの判断。
  文化の違いは食べ物にも表れる。国々の食事文化を探求するといった姿勢も海外で仕事をする人には必要と考える。楽しみの一つとなればもっと良い。 私も北大の授業で年に1回札幌に出かけるが、とても楽しみにしている。ラーメンと生ビールというおまけがあるからだ。

以上

 
前のコラムへ バックナンバー一覧

※この関島康雄のコラムについてのご意見・ご感想がございましたら、メールにてお寄せください。
   メールアドレスは連絡先のページを参照願います。

Copyright since 2006  3DLearningAssociates All Rights Reserved.