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3Dラーニング・アソシエイツ

コーヒーブレーク(79)

 
How to change 時代の戦略I 個人が準備しなければならないことA
 
 

キャリア目標A


キャリア目標は遠くの丘の上の旗

  偶然の出来事により形成されたキャリア目標は,言ってみれば遠くの丘の上の旗であり、人は、それを目指して進むのだが、旗は固定されていなくて、右や左に動いてしまうのが普通である。その為、進むべき道もそれに応じて変えなければならない。その意味で、歩き始める前に複数の道筋を検討しておき、いつでも方向転換をできるようにしておく必要がある。営業一筋で進むケースと、途中から管理部門あるいは資材購入部門に移籍するケースを考えておくのだ。広く企業活動を観察し、専門分野を2つ以上持てるように準備しておかなくてはならない。

障害物

  途中の障害物についても、どんなものが現れるか対応を考えておく必要がある。上司と意見が合わないなどは、その一例である。部下も指導しなければならないのだが、上司も意見が変わるように指導しなければならないのだ。 リーダーシップ理論ではこのことをLEADING UPという。 フィラデルフィアのペンシルバニア大学ワートン・スクールで「グローバル化する競争」に企業はどのように対応しようとしているかについて講義した帰り道、列車の中でGlobal Brand Powerというタイトルの本を読んでいたら、隣の席のご婦人が、「その本は、私の娘バーバラが書きました」と話しかけてきて驚いた。バーバラさんは日立の経営研修所に経営管理職の研修の実態把握のために研修生として実際に授業を体験されたことがあったのだ。それで、「良く知っていますよ、素敵なお嬢さんですね」といったら「外交辞令はNo Thank You, ちっとも親の意見を聞かない生意気な娘です。厳しく指導してください」と言われてしまったが、おかげでニュヨークまでの車中、話し相手が出来てたのしかった。

キャリア目標

  キャリア目標は、仕事の経験その他によって変化する。単なる「あこがれ」から、より地面に足の着いた「具体的なものに」という場合もあるし「インパクトのある体験をしたおかげで」という場合もある。私の場合は、コロンビア大学の Graduate School of Business のSenior Executive Program で4週間合宿での授業がそれで、日立の経営研修所でもこのようなプログラムをやってみたいと考え、独立法人である日立経営研修所の社長をひきうけることになった。それまでは、時期が来れば、日立の関連会社で役員として経営に携わるのが想定したコースであったのだが。

中小企業の経営は大変

  研修所は独立法人なので、事業収入すなわち受講料の合計で、従業員の給与も施設管理費用も賄わなければならない。資金繰りも結構大変なのだが、日立の経理は面倒をみてくれるわけではない。銀行からの借り入れも必要なのだが当然金利は高い。金額だけでなく借入期間も返済方法も厳しい。よって、研修所の製品である教育プログラムの開発や実施について工夫し、効率よく収入を上げる努力が不可欠であった。予定外の職員の退職があり退職積立金が大幅に不足するなどという事態も発生した。おかげで日立製作所では経験できないたくさんのことを学んだ。この経験後日立定年退職後立ち上げた人材マネジメント。コンサルタント会社3Dラーニン・グアソシエイツの経営に大変役に立ったことはいうまでもない。

以上

 
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