一般に、多様な働き方を認める会社が良い会社という論調がある。それは間違ってはいないのだが、働き方について誤解を生みやすい。個人の希望には沿っているが会社の希望が表明されていないからだ。会社の希望を整理すると「期待することにきちんと応えてほしい。時間とともに成長して、より難しい仕事が出来るようになって欲しい。出来れば長く働いてほしい。長く働けるよう、いろいろ配慮はする。期待に応えられない場合は、応えていないと通知するので対応策を考えてください」である。
会社は、個人が私的生活と会社の生活の両方に満足したいと思うことには賛成である。なぜなら現代の競争は二兎以上を負うのは当然のことだからだ。会社もいろいろなことを同時追及している。持続性の維持のためには優位性の活用と探索の同時追及が不可欠で、指揮命令系統がはっきりした組織と、どちらかというと自由な雰囲気で仕事をする組織の二つを持たざるを得ない。またグローバルな価値観とローカルな価値観の両方を受け入れも当然と考えている。時に相反する価値の両方を同時に追及するのは自然なことなのだ。