キャリア形成でいえば、歩き出すとは、なんとなく自分に合いそうだと思う仕事に就いてみることを意味する。自分のことを良く分かってはいないから、合う、合わないの判断も不正確であるので、仕事を選り好みしてもあまり意味がない。適職は何かなどと悩まずに、仕事に就く機会があれば、その機会を掴むことをお薦めする。経験しなければ、学べないのだから、経験することがなによりも重要と考えるべきだ。まず、撃ってみるのである。その後、自分を良く観察する。
一口に仕事といってもいろいろな場面がある。資料を集めるとか、人と相談するとか、日程を決めるとか。仕事を習い始めたばかりであれば、何が楽しいかは分かりにくい。スポーツでもそうだが、一定のレベルに達するまでは、苦しいばかりで楽しいことはあまり多くない。従って、何が楽しいかではなく、どのタイプの仕事をしているとき、体がすんなり反応するかを観察するのが良い。慣れれば大概のことはすんなり出来るのだが、やはり慣れやすかったこととそうでないことがあるはずだ。慣れやすかったとして、それが経験のありなしのせいなのか、それとも自分の性質のためなのかは、良く考えなければならない。